広告 詐欺

紹介屋という詐欺の悪質な手口と違法性

紹介屋と闇金

紹介屋の詐欺手口とは

紹介屋とは、詐欺を働く闇金態様の一種とも言われます。

「低金利でお貸しします」

「お電話一本でスピード融資します」

などという集客広告で、正規の金融業者からお金を借りることができなくなった多重債務者を呼び込み、形ばかりの信用調査を行った結果、

あなたの信用情報は良くないので、ウチではお金を貸すことはできないが、ほかの店を紹介することは可能だ

などと言って、ほかの店でお金を借りるように仕向け、借りた額の一部を紹介料として騙し取る業者のことです。

紹介屋が騙し取る紹介料の相場は、借りた額の2割から5割ともいわれています。

紹介屋のターゲット

紹介屋の広告に集まってくる人たちは、多重債務者であることがほとんどです。

多重債務者は、複数のクレジットや消費者ローンを利用して借金しており、返済が困難になっている人たちですから、一度や二度、返済が滞ったり、延滞したりした経験を持っています。

自分自身で、ブラックリストに載っている可能性を自覚しているためか、「信用情報が良くない」という紹介屋の言葉にも納得してしまいます。

このような多重債務者の方々は、ブラックリストに載っているという理由のほかにも、総量規制のため、正規の貸金業者からは新規の借入を断られることも多いです。

そのため、紹介屋の紹介する業者から融資を受けることができると、「紹介屋のコネでお金を借りることができた」と、簡単に納得してしまい、紹介料を支払ってしまいます。

しかし、紹介屋は、ただ、調査のゆるい業者を知っていて、そこで借りるように仕向けただけで、何の橋渡しもしていません。

正規の貸金業者から融資を受けられない多重債務者は、紹介屋の恰好のターゲットなのです。

しかも、紹介料も含めた全借入額の返済義務は利用者に残ることになるのですから、多重債務者の負債は増えるばかりです。

闇金に狙われる多重債務者

紹介屋の違法性

紹介屋の違法

紹介屋の違法行為

出資法違反

出資法4条1項

(金銭貸借等の媒介手数料の制限)
第四条 金銭の貸借の媒介を行う者は、その媒介に係る貸借の金額の百分の五に相当する金額(当該貸借の期間が一年未満であるものについては、当該貸借の金額に、その期間の日数に応じ、年五パーセントの割合を乗じて計算した金額)を超える手数料の契約をし、又はこれを超える手数料を受領してはならない。

出資法第4条1項では、上記のように、貸借の金額の5%を超える額を媒介手数料として受領してはならないと定めています。

つまり、紹介屋が、借入額の20%~50%を手数料として受領する行為は違法行為です。

そのため、紹介屋は、証拠が残る銀行振り込みで紹介料を受領することはなく、現金で、紹介料を受領しようとするのも特徴となっています。

貸金業法違反

貸金業法16条2項

(誇大広告の禁止等)
第十六条 貸金業者は、その貸金業の業務に関して広告又は勧誘をするときは、貸付けの利率その他の貸付けの条件について、著しく事実に相違する表示若しくは説明をし、又は実際のものよりも著しく有利であると人を誤認させるような表示若しくは説明をしてはならない。
2 前項に定めるもののほか、貸金業者は、その貸金業の業務に関して広告又は勧誘をするときは、次に掲げる表示又は説明をしてはならない。
一 資金需要者等を誘引することを目的とした特定の商品を当該貸金業者の中心的な商品であると誤解させるような表示又は説明
二 他の貸金業者の利用者又は返済能力がない者を対象として勧誘する旨の表示又は説明
三 借入れが容易であることを過度に強調することにより、資金需要者等の借入意欲をそそるような表示又は説明
四 公的な年金、手当等の受給者の借入意欲をそそるような表示又は説明
五 貸付けの利率以外の利率を貸付けの利率と誤解させるような表示又は説明
六 前各号に掲げるもののほか、資金需要者等の利益の保護に欠けるおそれがある表示又は説明として内閣府令で定めるもの

紹介屋の集客広告にあるような「お電話一本でスピード融資します」という広告は、貸金業法16条2項3号の「借入れが容易であることを過度に強調することにより、資金需要者等の借入意欲をそそるような表示等 」に該当すると考えられます。

これは誇大広告の禁止に違反するもので、刑法上の詐欺罪に当たる可能性もあるとの意見があります。

脅して紹介料を取り立てる

紹介屋は、「当社の顔利きがあったから」とか「当社のパイプがあったから」と言って、お金を借りることができたのは、「当社のお陰なんだぞ」と言わんばかりに紹介料を請求してきます。

紹介料を払わないでいると、融資の申し込みの際に聞きだした個人情報を利用して、「会社や家族に言うぞ」などと脅してくることもあります。

闇金に個人情報を伝えてしまったら

闇金を紹介される可能性

また、紹介屋は、闇金と裏で手を組んでいて、闇金を紹介されてしまうことさえあります。

気づかずに闇金を利用してしまうと、紹介屋と闇金の2重の被害が発生してしまいかねません。

紹介屋と闇金に個人情報を取得されることになり、被害が拡大することもあるので注意が必要です。

しかし、紹介屋は、弁護士や司法書士が対応することで手を引くことも多いと言われています。

紹介屋に紹介された闇金を利用してしまったら、ためらうことなく、弁護士等に闇金相談されることをおすすめします。

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