年金情報の流出事件を利用したなりすまし詐欺
2015年(平成27年)5月28日、日本年金機構において、何者かによる不正アクセスによって、年金情報が流出したことが判明しました。
そして、早速、年金情報の流出事件に乗じて、「なりすまし詐欺」を働こうとする者が現われたため、注意喚起が呼びかけられています。
日本年金機構の職員を名乗って、
- 口座番号を聞き出そうとする
- 流出した個人情報を削除してあげると持ちかけてくる
という事案が発生したようです。
金融庁職員や警察官を騙る詐欺 金融庁職員や警察官などの公的機関の職業を騙った詐欺事件が、頻繁に起こっています。 主に、高齢者をターゲットにしており、電話役、訪問 ... 続きを見る
金融庁職員や警察官などを騙る詐欺事件
今般の年金情報流出事件においては、最大で、次の4つの年金情報が流出したとされています。
- 基礎年金番号
- 氏名
- 生年月日
- 住所
日本年金機構では、
と広く伝えています。
また、次のような行為についても、職員が(年金情報の流出を理由に)したり求めたりすることはありません。
- 個人にお金を要求すること
- ATM操作をお願いすること
- 個人情報(家族構成)を確認すること
- 通帳・印鑑・キャッシュカードを預かること
- キャッシュカードの暗証番号を聞き出すこと
- インターネットバンキングのパスワードを聞き出すこと
もしも、このような行為をしたり求めたりする日本年金機構や年金事務所の職員、警察官などから連絡があれば、それはなりすましと判断して間違いありません。
年金情報の流出というこの事案の特殊性から、年金が盗まれてしまうのではないかと危惧する方が多いようです。
自分の年金がなくなってしまうのではないかという危機感が大きいため、なりすましに気づかない可能性があり、なりすまし犯からの電話に耳を傾けてしまう可能性を否定できません。
日頃から、
「私はなりすまし詐欺に騙されない」
と自負している方であっても、いっそう注意が必要と言っていいでしょう。
年金情報の流出事件に関するQ&A
平成27年5月28日に判明した年金情報流出事案に関するものです。
- 年金情報流出によって、年金そのものがなくなったり、減ったりしませんか?
- 今回の年金情報流出により、年金そのものがなくなったり、減ったりすることはありません。
年金支払いのもととなる年金記録を管理するシステムからの情報流出や年金記録の改ざんまでは確認されていません。
- 流出した情報を使って、他人が私になりすますことで、年金が横取りされませんか?
- 横取りにより、年金が支払われなくなることはありません。年金は本人に確実に支払います。
- 流出した情報を使い、振込先が変更されてしまったりしませんか?
- 流出した情報を使って、他人が年金の振込先を変更することはできません。
振込先を変更するためには、金融機関の証明印や本人の通帳の写しなどにより、日本年金機構が本人の口座であることを確認します。
日本年金機構の通知によると、実際に年金情報の流出が確認できた対象者には、新しい基礎年金番号が発行され、その通知は郵送されるとのことです。
年金機構の職員による電話や訪問ということはないと考えましょう。
自分の情報が流出しているのではないかという疑念が払拭できないでいる方は、お近くの年金事務所へ相談しましょう。