ガス会社を装う詐欺事件が頻発しています。
ガス会社の社員を装って、お年寄りや女性をターゲットにした詐欺行為です。
詐欺の手口は大きく分けて、
- 個人情報を聞き出そうとするもの
- 現金を騙しとろうとするもの
これら、二つのパターンに分類できます。
ガス会社の偽社員が個人情報を収集
「ガス協会の者です」
「○○ガスの者ですが」
などと名乗り、自宅を訪ねてくる偽社員がいますので注意が必要です。
アンケートにお答え下さいなどと言って、家族構成、年齢などの個人情報を聞き出そうとします。
しかし、その真の目的は、
- 老人のみの世帯
- 女性の一人暮らし世帯
などの世帯情報を入手することです。
弱者のみの世帯情報を手に入れることによって、別の詐欺行為や犯罪行為の標的を探し出そうとしているのではないかと見られています。
実際に、
- ガスの点検を装って部屋に上がり込み家人を暴行するという事件
- 「ガス漏れ検査で地域を回っている」と偽って宅内に入り金品を盗み取るという事件
が発生しています。
ガス会社の社員を装い現金を搾取
ガス会社の社員を装って現金を騙しとる主な犯行手口には次のようなものがあります。
- ガスの検針員を装い、検針票を使ってガス料金を請求
- ガス警報器の取り付けと称して訪問し、取り付け前に代金を要求し、現金を騙しとる
- 給湯器が故障していると偽り、部品交換をしたように見せかけて、修理代を騙しとる
- ガス料金を返金するからと偽り、ATMへ向かわせ、現金を振り込ませる
- ガス点検員を装い、点検料金を騙しとる
「ガス」は、生活インフラの一つで、日常生活に不可欠なライフラインです。
そのため、【点検・検査・故障】などの言葉が並べられると、ガス会社の社員を騙る人物の言葉を信用してしまいがちです。
- 日常生活に支障が出ないようにとの思いから信用してしまった
- 「たまに行われる点検のことだろう」と思い込み信用してしまった
そんな人間の心理をついた詐欺行為が行われています。
ガス会社をかたる詐欺行為に騙されないために
ガス会社を騙る偽社員に騙されないようにするにはどうすればよいのでしょうか。
知っておきたいチェックポイントがあります。
偽社員を見抜くチェックポイント
- 正規の社員は、検針票でガス料金の集金をすることはありません
- 正規の社員が、アンケートと称して、家族構成などの個人情報を聞き取ることはありません
- ガス料金の返金について、ATMの操作を求めることはありません
定期保安点検、ガスメーターの取り替えなどについては、おおよその訪問日程が事前に告知されるのが通常で、突然の訪問ということはまずありません。
また、定期保安点検、ガスメーターの取り替えで、費用を請求されることがないことは、ガス会社のホームページでも注意喚起として掲載されているところです。
有料の工事を迫られたときは、「見積書」の作成を求め、すぐに工事を依頼したりすることがないようにしましょう。
正規の社員ならば、「身分証」「社員証」などを携帯しています。もしも、不信感を抱いたら、呈示を求めましょう。
被災者を狙う悪徳業者
被災者を狙った悪徳業者も現れているようです。
大きな地震で自宅のガス機器が停止してしまい、業者に修理を依頼したところ、高額な修理代金を請求されたという被害が報じられました。
訪問してきた業者は、ガス機器の「部品交換」が必要だと言い、数十万円を要求したとのことですが、部品を交換した形跡はなく、ただ、大きな地震で自動停止したガス機器の復帰ボタンを押しただけだったようです。
工事や修理が必要だと言われたときは、「見積書」を依頼し、どんな工事をするのかよく確認することが、消費者としても求められるところです。
また、クーリングオフ制度があるからといって安易に契約することにも注意しましょう。
消費者側の意思で業者を呼んで契約した場合は、クーリングオフ制度が適用されない可能性があるからです。
業者に連絡した際に、消費者が契約の申込み又は締結する意思を告げたかどうかによってクーリング・オフができるかどうかがわかれます。
消費者の「請求」に応じて行うその住居における販売等については、訪問販売の規定の適用対象から除外されています(特定商取引法第26条第6項第1号)。
自然災害便乗詐欺
保険会社の社員を名乗る人物が、突然、
口座番号がわかる通帳を用意しておいて下さい
という電話連絡をよこし、被災者宅を訪問するという詐欺行為も発生しています。
保険会社では、契約者からの申し出もないのに、電話で訪問日時を連絡することはないとのことです。
被災時の不審な電話や訪問にも注意が必要です。