メルカリに現金の出品はなぜ起きた?
メルカリに現金が出品されたことがあります。
2017年(平成29年)4月頃、フリーマーケットアプリ【メルカリ】に「現金」が出品されていると話題になりました。
現行の紙幣を、額面以上の金額で販売しようとするものです。
額面以上の価格を設定して、メルカリで現金を出品販売することに、いったい何の目的があるのか。
メルカリに現金の出品はなぜ起きたのか、疑問を持たれた方も多いのではないでしょうか。
メルカリへの現金出品で安易な金儲けを画策
メルカリに現金を出品すると、額面以上のお金を稼ぐことができるので、「簡単にお金儲けができる」という安易な考えで出品する者もいたようです。
しかし、警察は、メルカリへの現金出品について、
と判断しました。
額面以上の販売価格と、実際に販売していた現行紙幣の額面との差額が金利にあたると判断されたものです。
2017年(平成29年)11月、千葉県、秋田県、京都府の3府県警において、売買を装い法定利率の上限を超える利息を受け取ったとして、出資法違反の容疑で4人が逮捕されています。
メルカリに現金を出品してマネーロンダリングに利用
メルカリに現金を出品する側の目的として挙げられるのが、マネーロンダリングです。
インターネットを使用した資金洗浄として、フリマアプリ「メルカリ」を利用したのではないかと言われています。
犯罪によって得たお金であったとしても、メルカリに現金を出品し、購入されることで、それは犯罪で得たお金ではなく、フリマアプリ「メルカリ」で得た正当な売上金にすることができるからです。
マネーロンダリングにつながる可能性があるとして、現在は、フリマアプリ運営者によって、現行紙幣の出品は禁止されています。
メルカリの現金出品になぜ購入者が現われた?
他方、メルカリに出品された現金を購入する人がいたことに驚かれた方も多いと思います。
メルカリの現金出品に対して、購入の需要があること自体、「一体、なぜ?」という疑問をもつ方は、少なくないのではないでしょうか。
額面以上の価格が設定されているにもかかわらず、なぜ、メルカリで現金を購入するのか?
購入者側には、どのような事情が存在するのでしょう。
経済的困窮者がショッピング枠を利用した
メルカリに出品された現金(現行紙幣)の購入は、
- すぐにでも現金を手に入れたい
- 当座の資金繰りに困っている
という経済的困窮者が利用していたと言われています。
メルカリの現金出品は、経済的困窮者にとっては、
- 保証人も不要で
- 家に居ながらにして
- すぐに現金を手に入れることができる
という点が最大のメリットなのです。
多重債務者に代表される経済的困窮者は、その予備軍も含め、大抵の場合、クレジットカードのキャッシング利用枠を限度額まで使いきっていたり、総量規制により、新たな借入れができない人たちです。
そういった経済的事情を抱える人たちでも、クレジットカードを使ったショッピングは総量規制の対象外となるため、年収の3分の1を超える借入れがある場合でも、ショッピング枠で買い物をすることができます。
フリマアプリ「メルカリ」では、クレジットカード決済が利用できるため、現行紙幣をショッピング枠で購入することで、現金化に利用していたと指摘されています。
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メルカリ現金出品をショッピング枠で購入するのは不正利用
しかし、クレジットカード会社は、クレジットカードのショッピング枠の現金化利用を認めていません。
このような利用の仕方をすると、カードの利用停止や残金の一括請求、強制退会などのペナルティを受ける可能性もあります。
また、ショッピング枠で現金を手にしても一時しのぎにしかならず、カード会社に対しては、額面どおりの支払義務は残り、結局は自分の負債が増えるだけです。
メルカリの現金出品の問題は、そうまでしても、現金を必要としている経済的困窮者(多重債務者)が多数存在していることも浮き彫りにしたと言えそうです。
多重債務の問題を抱えている場合は、弁護士に債務整理相談し、できるだけ早く解決させましょう。