多重債務者の情報元
闇金業者がターゲットにするのは、多重債務者と言われる人たちですが、闇金は、どのような方法で、多重債務者についての情報を得ているのでしょうか。
多重債務の末、自己破産したり、民事再生をしたことがある人は、その裁判手続きの際に、官報に掲載されます。
官報とは、国の機関紙で、裁判所の公告として、誰が、いつ、破産したか、民事再生したかが、掲載されます。
そして、官報には、その人の名前ばかりでなく、住所も掲載されてしまいます。
氏名と住所が掲載されるといっても、一般の人々が、官報を購読することはほとんどないといえますから、官報に掲載されることで、破産したり、民事再生したりした事実は、一般の人々には、まずわからないと考えていいでしょう。
ところが、闇金業者は、官報を見て、破産したり、民事再生した人をチェックしていると言われています。
闇金業者は、なぜ、官報から、そのような情報を得ようとするのでしょうか。
多重債務者とブラックリスト
破産したり、民事再生したりすると、信用情報機関に、事故情報が登録されます。
このことを、一般に、「ブラックリストに載る」と称しています。
代表的な信用情報機関には、次のようなものがあります。
- 全国銀行個人信用情報センター(KSC)
- シー・アイ・シー(CIC)
- 日本信用情報機構(JICC)
事故情報は、金融機関などの与信判断の材料の一つとなりますので、事故情報が登録されている間は、金融機関などに借金の申し込みをしても、拒否されてしまいます。
つまり、破産したり個人再生した人は、事故情報が信用情報機関に登録されるために、正規の貸金業者や金融機関から、お金を借りることができません。
そこで、闇金業者は、官報をチェックすることで、このような人たちを見つけ出し、ダイレクトメールや電話などを使って勧誘します。
などという優しい言葉を使って、
「ウチでは、あなたにお金を貸してあげますよ」
と、融資の勧誘をしようと狙っています。
闇金業者の勧誘に注意
官報に掲載されると、数ヶ月間は、自宅に闇金業者からのダイレクトメールが届くことがあります。
ブラックリストに載っているため、一般の貸金業者から借入れができなくなった多重債務者の中には、お金に困って、闇金のダイレクトメールに連絡してしまう方がいます。
闇金のダイレクトメールに連絡してしまうと、闇金から、融資を受けるよう強く勧誘されます。そして、借入れしてしまうと、出資法に違反するような高金利を請求されてしまいます。
正規の貸金業者や銀行などが、お金を貸してくれないからといって、闇金業者からのダイレクトメールに連絡したり、融資の誘いに乗ったりすることは、絶対にしてはいけないことです。
闇金業者たちには横のつながりがあり、一度でも闇金業者に連絡すると、その情報が伝わって、別の闇金業者からも、融資勧誘の連絡が入ってしまうことになってしまいます。
犯罪に巻き込まれてしまうこともある
闇金業者のダイレクトメールに連絡すると、
お金を貸してあげる代わりに、銀行口座を作って売ってほしい
という条件をつきつけられることがあります。
闇金業者のターゲットになる人は、お金に困っているために、その誘いに乗ってしまう可能性があるので注意が必要です。
また、闇金業者からお金を借りてしまい、返済が滞ると、
返済の代わりに、銀行口座を作って、こちらに引き渡せ
と言われたりします。
ご存知の通り、口座の売買は犯罪です。
闇金業者に渡した口座が、詐欺などの犯罪に使われてしまった場合には、口座を作って闇金に売ってしまった人まで逮捕されてしまう危険性があります。
もし、闇金の誘いに乗ってしまい、お金を借りてしまった場合には、できるだけ早く、経験豊富な弁護士や司法書士に闇金相談されることをおすすめします。
早期相談が、早期解決につながります。